2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』の脚本は、安達奈緒子(あだち なおこ)さんです。
NHKのクレジットでは「作:安達奈緒子」と表記されています。
安達さんは『おかえりモネ』『透明なゆりかご』『きのう何食べた?』などを手がけてきた脚本家で、
大河ドラマの執筆は今作が初めてです。
先に答えると、原作はありません。
このページでは、その根拠とあわせて、発表されているスタッフの一覧と、過去作から読み取れる作品の傾向を整理します。
逆賊の幕臣のスタッフ一覧
2025年3月3日の制作発表と、その後の追加発表で明らかになっているスタッフです。
| 役割 | 名前 |
|---|---|
| 作(脚本) | 安達奈緒子 |
| 制作統括 | 勝田夏子、深川貴志 |
| プロデューサー | 大越大士、南野彩子、藤原敬久(展開・プロモーション) |
| 演出 | 西村武五郎、末永創、川上剛、田中諭 |
| 時代考証 | 岩下哲典、門松秀樹 |
音楽・主題歌・語り(ナレーション)・題字は、まだ発表されていません。
※イラストと会話は、このサイトの案内役として人物の姿を借りたものです。実際の発言ではありません。
小栗忠順
わしの話を書いてくださるのは、大河はこれが初めての方だそうだ。ありがたいことだ。ここに並ぶ顔ぶれのうち、まだ空いておるのは音楽と語りと題字。埋まるのを待つとしよう。
脚本は安達奈緒子|大河ドラマは今作が初
安達奈緒子さんは神奈川県出身の脚本家です。
早稲田大学で演劇研究会に所属し、卒業後は日本脚本家連盟ライターズスクールへ進みました。
海外ドキュメンタリー番組の日本語字幕やナレーションを作る会社で台本作りをしながらコンクールに応募し、
2003年に『僕らの未来に子供たちはイエスと言うか』で第15回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞します。
翌2004年、フジテレビのスペシャルドラマ『冬空に月は輝く』でデビューしました。
ただし、そこから順調だったわけではありません。
出産と育児で本格的な活動から遠ざかり、企画書を作っても採用されない期間が数年続いています。
転機は2011年でした。
フジテレビのプロデューサーに誘われ、月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』全10話の脚本を任されます。
以降、月9枠だけで4作を担当しました。
受賞歴
| 年 | 賞 | 対象作 |
|---|---|---|
| 2003年 | 第15回フジテレビヤングシナリオ大賞 | 僕らの未来に子供たちはイエスと言うか |
| 2018年 | コンフィデンスアワード・ドラマ賞 脚本賞 | 透明なゆりかご |
| 2019年 | 第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞 | きのう何食べた? |
| 2019年 | 東京ドラマアウォード2019 脚本賞 | 透明なゆりかご/きのう何食べた? |
| 2021年度 | 芸術選奨文部科学大臣新人賞 | おかえりモネ |
3作品が同じ年に高い評価を受けた2019年には、「今もっとも勢いのある脚本家」と評されました。
安達奈緒子の作品傾向
ここからは、公表されている作品一覧をもとにした整理です。
本人やNHKが「こういう傾向がある」と説明しているわけではないので、その前提で読んでください。
① NHKでの仕事が10年以上ある
大河ドラマは初めてですが、NHKとの仕事は長いのが特徴です。
| 年 | 枠 | 作品 |
|---|---|---|
| 2015年 | BSプレミアム | その男、意識高い系。 |
| 2016年 | BSプレミアム | ふれなばおちん/宮崎のふたり |
| 2018年 | ドラマ10 | 透明なゆりかご |
| 2019年 | 土曜ドラマ | サギデカ |
| 2021年 | 連続テレビ小説 | おかえりモネ |
| 2022年・2024年 | NHKスペシャル 未解決事件 | 帝銀事件(第1部)/下山事件 |
| 2024年・2026年 | ドラマ | お別れホスピタル/お別れホスピタル2 |
朝ドラ(連続テレビ小説)と大河ドラマの両方を手がける脚本家は、そう多くありません。
② 実在の事件を扱った経験がある
『NHKスペシャル 未解決事件』では、帝銀事件と下山事件という戦後日本の実際の事件を扱っています。
『サギデカ』も特殊詐欺という現実の犯罪が題材でした。
史実を土台にして物語を組み立てる作業は、大河ドラマと共通します。
③ 医療・生と死を扱った作品が多い
『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』は救命救急、
『透明なゆりかご』は産婦人科、『お別れホスピタル』は終末期医療が舞台です。
『逆賊の幕臣』の主人公・小栗忠順は、最後に斬首されて命を落とします。
結末が「死」である物語を書くこと自体は、初めてではありません。
④ 日常の会話で人物を描く
『きのう何食べた?』『G線上のあなたと私』のように、
事件が起きない場面での会話を積み重ねて人物を立ち上げる書き方が知られています。
制作発表で安達さんは、小栗忠順を「天才でありながら、非常にチャーミングな人物」と表現しました。
偉人としての小栗ではなく、人柄のほうを見ている言葉です。
逆賊の幕臣に原作はある?
原作はありません。安達奈緒子さんのオリジナル脚本です。
NHKの番組紹介ページ(2025年3月3日公開)でも、クレジットは「作:安達奈緒子」だけで、原作者の記載はありません。
初回放送日を伝えた報道でも、「安達奈緒子氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ通算66作目」と説明されています。
「原作」を探しても見つからないのは、そもそも存在しないためです。
原作小説の代わりに読むものを探している場合は、小栗忠順を扱った本のページを用意しました。
近年の大河はオリジナルが続いている
大河ドラマ全66作のうち、原作のないオリジナル作品は26作です。
ただし近年は10作連続でオリジナルが続いています。
原作つきの最後の作品は、2018年の『西郷どん』(原作:林真理子)でした。
制作統括とプロデューサー
制作統括は勝田夏子さんと深川貴志さんです。
勝田さんは制作発表で、この作品の狙いをこう説明しました。
このドラマは幕臣の側から描く幕末です。江戸幕府は遅れた存在で、明治維新で幕府が倒れたおかげで、日本に近代が訪れたという歴史観がまだ根強いですが、近年は見直しが進んでいて、幕府が近代化の種を蒔き、先進的な取り組みをしていたことが明らかになっています。
「幕府=遅れた存在」という見方を裏返すこと。
それがこの作品の企画の出発点になっています。
プロデューサーは大越大士さん、南野彩子さん、そして展開・プロモーション担当の藤原敬久さんの3人です。
演出
演出は西村武五郎さん、末永創さん、川上剛さん、田中諭さんの4人が発表されています。
大河ドラマは1年間の長丁場になるため、複数の演出家が回を分担するのが通例です。
初回の演出を誰が担当するかは、まだ発表されていません。
時代考証
時代考証は岩下哲典さんと門松秀樹さんの2人です。
岩下哲典さんは1962年生まれの歴史学者で、東洋大学文学部史学科・大学院文学研究科史学専攻の教授。
専門は幕末維新史、なかでも情報活動史です。
「幕末日本の情報活動:「開国」の情報史」という論文で博士号を取得しています。
幕府が海外の情報をどう手に入れ、どう扱ったかを研究してきた人が考証に入っている——
これは、黒船来航をどう描くかに直結します。
幕府はペリーが来ることを前年から知っていました。
その情報の流れ方まで含めて描かれるのかどうかは、見どころのひとつです。
まだ発表されていないもの
2026年8月時点で、次の情報は出ていません。
- 主題歌・音楽(作曲者)
- 語り(ナレーション)
- 題字
- 各話の演出担当
- 全話数
大河ドラマの場合、音楽と語りは放送の半年前あたりから順に発表されるのが通例です。
発表があり次第、主題歌のページに追記します。
制作発表で語られたこと
2025年3月3日、東京・渋谷のNHKで制作発表が行われました。
安達さんは、大河を担当することについて「光栄なこと」「幕末を描くということで、身の引き締まる思い」と述べたうえで、
忠順の目を通してもうひとつの歴史を見ながら、いまの日本を考えていきたい、と話しています。
主演の松坂桃李さんは「ワクワク感のあるエンターテインメントにしたい」と語りました。
つまりこの作品は、重厚な悲劇としてではなく、エンターテインメントとして作られます。
撮影はいつから
制作発表の時点で公表されていたスケジュールは、2026年夏にクランクイン予定というものでした。
初回放送は2027年1月10日(日)の20時からです。
よくある質問
逆賊の幕臣の脚本家は誰ですか
安達奈緒子さんです。
NHKのクレジットでは「作:安達奈緒子」と表記されます。
安達奈緒子さんは大河ドラマを書いたことがありますか
ありません。今作が初めての大河ドラマです。
NHKでは連続テレビ小説『おかえりモネ』、ドラマ10『透明なゆりかご』などを手がけています。
逆賊の幕臣に原作はありますか
ありません。オリジナル脚本です。
制作統括は誰ですか
勝田夏子さんと深川貴志さんの2人です。
時代考証は誰が担当していますか
岩下哲典さんと門松秀樹さんです。
岩下さんは東洋大学教授で、専門は幕末維新史(情報活動史)です。
主題歌はもう決まっていますか
2026年8月時点では発表されていません。
音楽・語り・題字も未発表です。
作品全体の内容や見どころは、こちらにまとめています。
放送を見逃したときの追い方も先に確認しておくと安心です。
クレジットと企画意図はNHKの番組紹介ページ、制作発表のコメントと制作スケジュールは美術展ナビの取材記事、
初回放送日とオリジナル脚本であることはスポニチアネックスの報道をもとにまとめました(2026年10月8日確認)。